
現在、東京都現代美術館で開催中のメアリー・ブレア展をご紹介いたします。(この展覧会は終了しました)
「イッツ・ア・スモールワールド」コンセプト・アート(1963年) © Disney Enterprises, Inc.
現在、東京都現代美術館で開催中のメアリー・ブレア展をご紹介いたします。
展覧会概要:

メアリー・ブレア(1911-1978年)は米国オクラホマ州で生まれ、大学在学中に水彩画家としてそのキャリアをスタートさせました。しかし、卒業後は世界恐慌のあおりを受け思ったような仕事につけず、幾つかのアニメーションスタジオを経て1939年にウォルト・ディズニー社に入社しました。
そこでウォルト・ディズニーと出会い、彼女の才能が開花。「シンデレラ」(1950)、「ふしぎの国のアリス」(1951)、「ピーター・パン」(1953)など、いくつもの作品のカラー・スタイリストとして、素晴らしい色彩感覚を生かした功績を残しました。米国でも、まだ働く女性には厳しかったと言われる時代に、実に多くの作品に関わり、広く尊敬を集めたのです。
大人と子供の目線がミックスされ、見る人に純粋な喜びを伝える彼女のアートセンスは独特な魅力に溢れ、当時のディズニー作品のみならず、現在でも多くのアニメーション作家に影響を与え続けています。[公式サイトより]
それでは展覧会レポートです!
当日は雨にもかかわらず、会場は夏休みという時期もあって、ご家族連れが多くたくさんの人で賑わっていました。
第1ゾーン

ここでは若き日のメアリーの作品を紹介。
幼い頃から美術の才能を発揮していたメアリー。美術学校で水彩画、イラストレーションを学び、卒業後リー・ブレアと結婚。収入を得るためにアニメーション映画の世界へ入ります。
メアリーは夫と共に「カリフォルニア水彩派(鉛筆による下絵をはぶいた自在な筆さばきやコントラストの強調で、アメリカの独自性を風景や生活の様子をえがいたもの)」という芸術運動の主要メンバーとなります。
ここでは影と光が強調された水彩画特有の美しい色合いや、確かなデッサン力から、メアリーの才能が見ることができます。
ポートレート(メアリー・ブレア)© The nieces of Mary Blair
第2ゾーン
1939年にウォルト・ディズニー・スタジオに入社し、メアリーはキャラクター・モデル部に配属されます。1941年に一時スタジオを去りますが、後に夫、ディズニーのスタッフたちと行った南米取材旅行での多くのスケッチにより、ウォルトに絶大な信頼を受けることになります。

帰国後はスタジオに戻り、「シンデレラ」「ふしぎの国のアリス」「ピーター・パン」のカラースタイリストとして活躍。数多くのコンセプト・アートを生み出しました。
ここでは、メアリーのストーリー・スケッチ(※1)や、当時の貴重な南米の様子がわかる南米旅行のドキュメント映像「South of the Border with DISNEY」が見ることができます。
メアリーはこの旅行で、南米独特の色彩やデザインに刺激を受け独自の画風を獲得しました。
ポートレート(南米視察時の写真) © 2009 Time Inc.

1950年には作品「シンデレラ」で、第二次世界大戦中から戦後直前まで短編が主だったディズニーの本格長編映画が再開されました。
メアリーは「シンデレラ」でカラーアンドスタイリング(※2)を担当。衣装デザインなども提供し、作品全体のカラーを作り上げるのに大きく寄与しました。
そのコンセプト・アートは多くのスタッフに刺激を与え、映画のエッセンスとして浸透したといいます。
「シンデレラ」コンセプト・アート(1950年) © Disney Enterprises, Inc.
※1 ストーリー・スケッチ:ストーリーライターが書いた話にそって、独自のアイデアを盛り込みながらキャラクターの感情やアクションを絵に描いたもの。これは現在も映画業界で広く活用されています。 メアリーのストーリー・スケッチは美しい色使い、物語がすでにイメージできるようなキャラクターの動き、また顔の表情がとても豊かで、暖かさが感じられます。
※2 カラーアンドスタイリング:映画制作の初期段階で映画全体のイメージを模索し決定するために、アーティストたちがそれぞれインスピレーションにしたがって絵を描く仕事。 映画の雰囲気、デザイン、色彩、舞台、設定、キャラクターなど定めるために使われます。
第3ゾーン

第3ゾーンではメアリーがディズニー社を離れた後の仕事の紹介をしています。
ニューヨークに住まいを移した彼女は、子供たちのために愛らしい絵本を作りました。絵本『わたしはとべる』は、ジョン・F・ケネディ大統領(当時)の娘キャロラインの大のお気に入りだったという逸話もあります。
また、広告デザイナーとしても活躍し当時のデザイン画も見ることができます。
レモネード・ガール(1960年代)© The nieces of Mary Blair
第4ゾーン

第4ゾーンでは「イッツ・ア・スモール・ワールド」のデザイン原画やアトラクション、テーマパーク内の壁画のデザインアートの紹介です。
「イッツ・ア・スモール・ワールド」を再現したスペースでは、ディズニーランドにいるかのような疑似体験ができます。
また他にはメアリーのニューヨークでの仕事場を再現したものや、撮影OKのワークショップスペースも!
最後は充実したメアリーグッズ売り場もあり、最後まで楽しめる内容となっています。
写真:「イッツ・ア・スモールワールド」コンセプト・アート(1963年) © Disney Enterprises, Inc.
以上、メアリー・ブレア展レポートでした。
メアリー・ブレアのカラフルな夢のある作品たちは、小さな子からご年配の方まで幅広い層が楽しめる、まさにディズニーの世界観が感じられる展覧会でした。アートファンもディズニーファンも大満足できる内容となっています!
メアリー・ブレア展は10月4日まで。国内巡回展は実施しないので、この夏の公開が一度限りのチャンスです。ぜひご覧になってはいかがでしょうか?
メアリー・ブレア展 @東京都現代美術館
会 期:2009年7月18日(土)~10月4日(日)
休館日:月曜日 (ただし7月20日、8月10日、17日、9月21日、28日は開館、7月21日(火)は休館)
開館時間:10:00~18:00(入場は閉館の30分前まで)
会 場:東京都現代美術館 企画展示室1F、3F
観覧料:大人・大学生1,100(1,000)円 中高生900(800)円 小学生600(500)円
※ ( )内は20名様以上の団体料金 ※「メアリー・ブレア展」のチケットをお持ちの方は、同時開催の「伊藤公象展」 を通常の半額でご覧いただけます(ただし8月1日から。当日に限り有効) ※本展のチケットで「MOTコレクション」もご覧いただけます。 公式オンラインチケットはこちら http://www.e-tix.jp/mary/ 問い合わせ先:03-5777-8600(ハローダイヤル) 主催:財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 / 日本テレビ放送網 / 日本テレビ文化事業団
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